家を建てるときしっかり「かんり」をしてほしいと思ってる方は多いと思います。
しかし、建築現場で「かんり」と言うと「管理」と「監理」の2つの「かんり」が有るのはご存知でしたか?
違いを分かりやすく簡潔に紹介します。
Contents
誰がどっちの「かんり」?
誰がどっちの「かんり」か分かりますか?
答えは
・現場監督が「管理」
・設計者が「監理」
字だけ見ると監督が「監理」すると勘違いする方もいるので勘違いしないように気を付けてください。
管理とは何をすること?
「管理」は話の中では、竹冠なので「竹かん」という人もいます。
この「管理」は現場監督の事を言い、現場の職人達をまとめ、指揮をとる仕事です。
仕事のイメージとしては、設計図を基に下記のようなことをする仕事です。
①施工計画(作り方の計画)を立てる
②工程の計画(時間的な計画)を立てる
③材料の発注
④職人さんに工事を発注
⑤工事中の安全に行えるか確認(ヘルメットをつけているかなど)
⑥品質の確認(図面の通りに建物を作れているかなど)
⑦これらを予算内に収めて施工する
監理とは何をする仕事?
「監理」は話の中では、「皿かん」という人もいます。
この「監理」は設計者が行うことが大半ですが、設計者と異なる建築士が「監理」を行うこともあります。
「監理」は建築士法で定められおり、それによれば「建築士の責任において工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないか確認すること」です。
簡潔に表現すると現場監督がきちんと管理できているかを施主側(発注者)の立場に立って監視する役割です。
一般の方は大抵の場合建築の知識がない為、「管理」と「監理」を分けることで第三者のチェックが行えるようになっています。
また、現場監督より設計者の方が建築の技術面に精通しているため、現場監督からの質疑に対して回答を行ったり、意図した通りに適切な施工が行われているかチェックします。(監理者は建築士の資格が必要ですが、現場監督は不要です。)
もし、きちんと施工出来ていない場合きちんと修正するよう指示をします。
その為、現場監督側に負担(コストも時間も)かけさせることも言わないといけません。
監理体制が出来ていない会社は避けた方がよい
仕組みとしては「監理」が必要性は分かったけど、現場監督もずっとやって来たプロだし、「管理」がしっかりしてれば、「監理」はちゃんと機能してなくても大丈夫では?と思う人はいると思います。
本当に「管理」が出来てれば確かに「監理」が無くても品質が高いものも出来ることは有ると思います。
しかし、やはり監理体制が出来ていない会社は避けた方がよいと考えます。
というのも、実際に監理者を設けられていなかった為、欠陥住宅が作られてしまった事例も有るからです。
小さな工務店のとの契約は避けた方がよい
小さい工務店とだけの契約は避けた方がいいと考えます。
①自社で設計、施工両方行っている場合
工務店の場合、工事部門が設計部門より力を持っていることが多く、コストを優先して設計側の指摘を軽んじられる可能性があります。
間違った施工が見つかっても、素人には分からない程度に表面上取り繕っていることも多々あります。
②別会社の設計事務所に頼んだとしても、設計事務所が工務店からお金をもらう為、「管理」している工務店に対して「監理」をしている設計事務所が指摘を行ないづくなります。
そのため、監理者が仕事を無くさないために、現場監督に強く言えず、「監理」業務が形骸化する可能性があります。
小さな工務店で契約するのであれば、設計事務所と契約しそこから紹介された工務店に契約する方がいいと考えます。
工務店が設計事務所から仕事を紹介される為、設計事務所(監理)の方が立場が高くなりやすいです。
間違っても別契約だからと言って、工務店の紹介、設計事務所と契約しないようにしてください。
上記の逆で、工務店から設計事務所に仕事が流れていくため、設計事務所(監理)の立場が低くなる可能性が有ります。
それでは大手のハウスメーカーは?
逆に大手のハウスメーカーはブランド化しているため下手なことを行うとブランドイメージが下がります。
自社の設計施工でも監理システムを作っている為、有効に「監理」が出来ている可能性が高いです。
ただ、会社毎に監理システムが違う為、どのような方法で誰が監理を行っているか確認し、判断する必要が有ります。
「管理」と「監理」のまとめ
この記事でお伝えしたことは
- 管理は現場で指揮を取ること
- 監理は発注側に立ち、工事がきちんと行われているか確認すること
- 管理と監理は別会社で行った方がいいこと
の三点でした。
欠陥のない住宅にする為に、監理がしっかり機能する契約にしましょう。
以上!