指定確認検査機関等の処分!?消費者に与える影響は?(ビューローベリタス(株)の業務停止等)

2020年2月14日に指定確認検査機関の5社が業務停止、4社が監督命令を受けました。

今回の処分が消費者に与える影響を考えてみます。

そもそも指定確認検査機関とは?

一般の方向けに指定確認検査機関を簡単に説明します。

元々、行政が一定の建物について建築基準法に適合しているかどうかを、①設計が終わった段階で図面が問題ないか、②建築が完成した段階で図面と合っているか、の2段階で確認を独占して行っていました。

その業務を一般に解放した際に、審査する業務する者として、国や都道府県などから指定(許可)された会社が指定確認検査機関と呼ばれています。

処分を受けた確認検査機関と処分内容

・AI確認検査センター株式会社:令和2年3月9日から4月と 20 日間(令和2年3月9日(月)~同年7月28日)、確認検査の業務の停止

・ビューローベリタスジャパン株式会社:令和2年3月9日から1月と 10 日間(令和2年3月9日~同年4月18日)、確認検査の業務の停止

・株式会社国際確認検査センター:令和2年3月9日から1月間(令和2年3月9日~同年4月8日)、確認検査の業務の停止

・富士建築センター株式会社:令和2年3月9日から 10 日間、確認検査の業務の停止

・アウェイ建築評価ネット株式会社:令和2年3月9日から 10 日間(令和2年3月9日~同年3月18日)、確認検査の業務の停止

・株式会社J建築検査センター:監 督 命 令

・一般財団法人日本建築総合試験所:監 督 命 令

・ハウスプラス確認検査株式会社:監 督 命 令

・株式会社西日本住宅評価センター:監 督 命 令

簡潔に処分の内容を書きましたので、詳しい処分の内容は国土交通省 指定確認検査機関等の処分についてをご確認下さい。

消費者への影響は?

消費者に影響を与えていきそうなのは、業務停止機関が一月以上となるAI確認検査センター株式会社、ビューローベリタスジャパン株式会社、株式会社国際確認検査センターの業務の停止です。

各会社の支店の場所(影響が出てくる地域)を確認しますと下記のとおりです。

・AI確認検査センター株式会社:東京

・ビューローベリタスジャパン株式会社:神奈川(3か所)、北海道、宮城、埼玉、東京(4か所)、愛知(2か所)、大阪、兵庫(2か所)、広島、福岡

・株式会社国際確認検査センター:東京、大阪、兵庫、長崎、宮城

ビューローベリタスジャパン株式会社が全国展開している会社であり、大規模な物件も多く扱っているため、影響は全国に出てくると思われます。

与える影響としては、業務停止になった審査機関に申請を出そうと予定していたものが、各地の別の検査機関に流れていく為、全体的に流れた先の検査機関の業務が増え申請が下りるまでに時間がかかるようになる可能性が高いです。

また、大規模な物件に限らず住宅等の小規模な物件も影響が出る事が想定されます。

大規模な物件の業務が流れていくことで、人手が取られ、住宅を見る人員が手薄になりやすくなる為、住宅等の小規模な物件の申請にかかる時間も延びていくからです。

少し話がずれますが、どうしても業務停止をする会社に出したい場合は、3月8日まで(土日を考えると6日まで)に受付を行えば審査は受けれるので、予定を早めて申請を出す必要が有ります。

ただし、業務停止中に完了検査を受け付けることは恐らく出来なくなる為、他の機関に出すことをオススメします。(既に確認申請が終了し工事が進んでいて、中間検査、完了検査が業務停止中になる場合も、受けられなるなる可能性が有り、混雑も予想されるので、あらかじめ他の機関に相談しておいた方がよいと思います。)

次世代住宅ポイントの締め切りの波も一緒に来て、審査期間がさらに長くなるのでは?

令和2年の3月9日から業務停止が行われることが、すごくタイミングが悪いと感じています。

というのも、次世代住宅ポイントの給付期限と被るからです。

消費税10%への増税の際の消費を落ち込みを防ぐために次世代住宅ポイントによる給付が行われています。

この給付の条件に令和2年3月31日に着工という条件があるのです。

着工するためには、確認申請が終わっていなければなりません。

なんとかギリギリ間に合わせようと動いている消費者、設計者は多くいるので、3月31日までの交付を目指して、これから駆け込みで確認申請の申請の件数が多くなると予想されます。

普段の感覚でギリギリを狙って申請を行うと、3月中に申請が下りない可能性があるので気を付けてください。

繁忙期に仕事が出来なくなる為、業務停止された指定確認検査機関に短期間で多くの打撃が与えられるとの思惑もあったのかもしれませんが、消費者の不利益が生じる可能性まで考えて欲しいものです。

指定確認検査機関等の処分による影響のまとめ

3月中の申請完了に向けて、次世代住宅ポイント+4社の業務停止の影響のダブルパンチで想像以上に申請にかかる時間が伸びると予想されます。

次世代住宅ポイントの取得を考えている消費者や、そのお客さんを担当している設計者はかなり早めに申請を出すことをお勧めします。

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