その住宅、老後まで持ちますか?設計者が想定している耐用年数の見分け方

構造大好きミです。

この記事では、設計者(ハウスメーカー、工務店等)が想定している住宅の目標耐用年数の見分け方を紹介します。

家を買うからには老後まで住み続けることができる家を買いたいですよね。

設計者が考えている目標耐用年数は基礎のコンクリート強度を確認すれば分かるので、コンクリート強度を確認して、老後まで住むことができる家を購入しましょう。

なお、この記事は木造、鉄骨造を想定して書いています。

目標耐用年数の確認方法

目標耐用年数を確認するには基礎のコンクリートの強度を確認しましょう。

コンクリート強度は●●N/mm2又はFc●●と表示されています。

例えば24N/mm2又はFc24という感じてす。この二つは同じ強度です。

数値が大きいほど強度が高くなります。

一般的に住宅ではFc18,Fc21,Fc24あたりが採用されます。

この強度が高いほど耐久性が上がり、目標耐用年数が伸びていきます。

JASS5という、日本建築学会から出されている本では目標耐用年数が

・Fc18:30年

・Fc24:65年

・Fc30:100年

と示されています。

(ちなみに、日本建築学会とは全国の大学の先生方や、企業の研究者等が所属し、研究の発表など行われる権威の有る団体です。)

また、Fc21の目標耐用年数はFc18とFc24の中間として47年程度と考えることも出来ます。

目標耐用年数を考えて、設計者がコンクリート強度を決めているため、その建物自体をいつまでもたせるつもりで考えられているかが分かります。

これは私の考えですが、ここを見るだけで設計者(ハウスメーカー、工務店等)の住宅に対する姿勢が分かると考えています。

ちなみに、基礎を強くするためにコンクリート強度を上げているのでは?と考えられる方もいると思います。

しかし、Fc18でも強度としては十分に強く、住宅レベルの規模で地震に対して壊れるから強度を上げるということは、無理な設計を行わない限り強度的に必要になることはあまりありません。

よって、耐用年数でコンクリート強度を決めていると考えて差し支えないと考えます。

(流通の関係でFc18からFc21に上げているということは有るようです。)

必要な耐用年数は?

コンクリート強度で目標耐用年数が決まることがわかっていただけたと思います。

次に、いつまで目標耐用年数が必要なのかが疑問に思うと思います。

自分は老後まで住み続けたいと考えているので目標耐用年数65年(Fc24)が必要と考えます。

考え方は単純で、仮に30歳で住宅を購入し平均寿命の84歳まで生きても54年間、多少長生きして90歳でも60年なので、耐用年数が65年あれば問題ないと考えます。

逆に30年だと、30歳に購入すると60歳でまだまだ先が長い為、再度新しい住宅を建てる必要が出てきます。

定年後、引っ越す予定であればそれも一つの選択肢かとは考えます。

自分のライフスタイルに合わせて選択してください。

目標耐用年数の見分け方のまとめ

この記事で、私が伝えたかったことは

・目標耐用年数を確認する為に、基礎のコンクリート強度(Fc●●又は●●N/mm2)で確認できる

・その為、コンクリート強度から設計者(ハウスメーカー、工務店)の姿勢が分かる

・コンクリート強度に対応する目標耐用年数は Fc18:30年、Fc21:47年、Fc24:65年、Fc30:100年

・ライフスタイルに合わせて必要な耐用年数を選びましょう。

という四点です。

住宅選びの参考にして頂けると幸いです。

以上!

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